食育さんの日記(「タミアのおもしろ日記」より)

GOOブログ「タミアのおもしろ日記」より移行しました

タミアのおもしろ日記はgooからこちらへ引っ越ししました。今日は新記事。食育ブログのAI汚染。

お久しぶりです。gooブログ時代から気持ちを新たにするため食育さんと名前を変えました。改めてどうぞよろしくです。このブログは食育関係の情報を紹介しています。学校の朝礼でお話をする時、給食の時間に小ネタを説明する時、食いもんで適当なうんちくを言う失礼な人間がいて喧嘩を売りたい時など、いろいろな時に使えるブログです。

会社が忙しくて新記事を書けなくて、すっかりお待たせしました。

久々の記事は、ネットの知識・教養ブログが急速にAIに汚染されている問題です。(このブログも食育の知識・教養ブログなので、お前もかと疑われたら困るんですが、ちゃんと、中の人は食べ物の研究をしている人間なので安心してください。AIに文章を排出させても「中の人は人間です」という文章はAIの機能上で出来ませんので、私のブログは人間が文章を書いているわけです。)

で、世間には食べ物や食育に関わる文章が氾濫しているので、AIにそういうのを書かせてネットにあげる困った輩が増えているようです。見分けるポイントですが、ある意味で常識的な範囲のことを取り上げて、やたら丁寧で中立的な言い方で、にも関わらず化学や生理学などの初歩的な間違いが入っているのは、AIのやらかしがちなことです。

 

例えば、この間片栗粉について検索したら、知識系のブログで「片栗粉は片栗というイモ科の植物の根から作ります」というようなのを見つけてしまいました(このブログを設置した人物と関わりあいたくもないため、少しだけ語順を変えています)。皆さん、聞いてください、「イモ科」というのはありません。片栗(カタクリ)はユリ科の植物です。しかも、片栗粉は江戸時代まではカタクリから作っていましたが江戸末期に採りすぎて激減したので、明治時代以降はジャガイモデンプンで代用しています。

このブログもさっき述べた通り、やたら丁寧で人柄の良さそうな文章でした。しかし植物学の初歩で「イモ科」と言って馬脚を現して、あとはデタラメばかりでした。どんなに丁寧な文章でも、ウソを並べ立てているブログに近寄ってはいけません。

 

同様に、栄養学知識ブログで、「グルタミン酸と、通称味の素と呼ばれるグルタミン酸ナトリウムは違う物質だ」と長々と書いて、最後に「グルタミン酸ナトリウムは体内で分解されて、グルタミン酸とナトリウムに分かれて吸収される」と書いているブログも見かけました。これも、多少人間が手を入れたかもしれませんがほぼAIに書かせたんと思います。だって、本当に栄養学を勉強した人ならそんなネタ自体を扱わないもの。

なぜ扱わないかって?だってね、グルタミン酸ナトリウム」は、料理の中に入って水分に触れた瞬間にグルタミン酸とナトリウムに分かれるから。塩が解離するのは高校化学で習う常識だから、体内でやっと分解されるなんて文章はAIが書いたとしか思えません。

AIブログには気をつけましょー!

gooブログから引っ越しました。人気記事「考察ミスだった「ベルツの人力車実験」」はここから読めます。

syokuiku3.hatenablog.comこの記事が良かったらブックマークしてください。

食育などで有名な「ベルツの人力車実験」は、肉を食べたからだとの考察は間違いで、単にカーボローディングの話で解釈できる、という楽しい記事です。

また、ベルツは単に、一時的に力が出るかどうかを調べただけで、その食事が健康に良いかどうかは全く調べていません。

車で通勤してパソコン作業する現代のビジネスマン(軽作業)が、明治時代の人力車夫(重労働)と同じぐらい大量の米を食べたら、炭水化物の摂り過ぎとタンパク質不足で健康を害する恐れがあります。ご注意ください。

gooブログから引っ越ししました。人気記事「「元禄以前の主食は玄米」説は石毛直道先生が否定してます。」はこちらからどうぞ

以前の人気記事「元禄以前の主食は玄米」説は石毛直道先生が否定してます。はこちらで読めます。

内容を要約すると、元禄時代以前は、七分づき米や半づき米のことを「玄米」と呼んでいたのです。

現代の玄米は表面がロウ組織でコーティングされているので、白米と同じように炊飯すると、美味しく炊けないし栄養も吸収できずに腹の中を素通りしてしまいます。だから現代の玄米は圧力釜などで炊く必要があります。

徳川家康公や卑弥呼が食べていた玄米は、実は七分づき米で、表面のロウのコーティングがとれていました。だから昔は普通のお釜で玄米が炊飯が出来たのです。

なお、「七分づきとは言え、表面のロウとぬか組織を落とすなんて農家がそんなもったいないことをしていたはずがない」と思う方もいるかもしれませんが、昔の農家は土を耕すために牛か馬を飼っており、落としたロウとぬかは家畜のエサにして家畜の健康を保っていたので、とても合理的だったのです。

人気記事、ツタンカーメンの豆が実は事実でなかった話、はこちらで読めます。

gooブログ時代に投稿した「ツタンカーメンの豆」伝説の記事2本は、常に人気ベストテンに入っていた記事でした。引っ越し先は次のリンクです。

https://syokuiku3.hatenablog.com/entry/2016/08/11/235625

https://syokuiku3.hatenablog.com/entry/2016/10/09/012001

 

まとめ要約すると次の通り。

ツタンカーメンの墓の副葬品で見つかった豆は、全てイギリスのキューガーデンに保存されたので、まいて増やしたりしていません。

じや、日本で広まっている「ツタンカーメンの豆」と称するものはなんでしょう。

実は、ツタンカーメンの墓「の近く」で採取された豆を、あるアメリカ人が郵送で水戸に住んでいる日本人にプレゼントした際、英語のお手紙の翻訳ミスで、「墓の中から出てきた豆」と誤訳され、これが「善意の輪」で広がってしまったのが実態です。

 

上記のブログを書いた後に詳しく調べたところ、次のことも分かりました。

実は、この水戸の男性が地元有名小学校に差し上げて小学校教育で広まり、噂を聞いた大手出版社がタネを譲り受けて増殖し、雑誌付録にしたので日本全国に広まったのでした。

英文の手紙を正しく翻訳できていれば間違いが広まるのを防止できたのに、残念ですね。子供達に間違ったことを教えるのはかわいそうなので、皆さんも、ツタンカーメンの豆を植えている学校があったらこのブログをおしえてあげてください。

上田遙先生の「食の豊かさ 食の貧困」を読みました。

gooブログ時代には、10数年間でのべ38万1500回のアクセスをいただき、ありがとうございました。はてなへ移動してきたので、以前から読んでくれていた方はブックマークし直してくれると有り難いですです。

さて、今回は、昨年秋に発刊された、名古屋大学出版の、東大上田遙先生著「食の豊かさ 食の貧困」を取り上げたいと思います。忙しくて読むのは後回しにしていたんですが、知り合いの学者が、上田先生のこの本の中身が私がこのブログで10年間以上言い続けていた事と似ていると教えてくれたんで、慌てて読みました。そうしたら、確かに食育についてのスコープが重なっているのです。

 例えば以下の説は、私がこのブログを通じて何度も訴えかけて広めた説です。gooブログ時代に毎日数百人の方に閲覧していただき、最近理解者が現れ始めたところです。

(1)米が日本の主食という説は最近作られたお話である。

(2)食卓で家族団らんが日本の伝統という話は最近作られた話である。

(3)一汁三菜が日本の伝統食という説は最近作られた話であり、そういう説が押しつけられて消費者は精神的苦痛を受けている。

(4)大正時代の主婦の友が提示したのはサラリーマン家庭向けの美味しく経済的な食事であり、金持ち向けのハイカラ豪華料理ではない。

(5)一汁三菜が伝統食と言って良いのかどうかについては、熊倉功夫先生がふらふらしたスタンスを取っている。

(6)戦後の給食でパンを出したことでアメリカ小麦の消費が増えてお米離れが進んだという説は誤解に過ぎない。(アメリカ小麦はパンよりむしろ麺に向いていたから)

(7)ユネスコの和食無形文化遺産登録に関して、日本政府が主張している内容が、ユネスコが実際に登録した中身と違う。

 

特に4,5,7は私のブログより先に書かれたものは見つかりません。上田先生がこのブログを読んでてくれたんだとしたら有り難いですね。

gooブログが11月に閉鎖されることになったので、引っ越してきました。

初めてお目にかかる方へ。ちまたの変な食育・偏った健康情報から身を守る、お役立ちブログです。ブックマークをよろしくお願いいたします。

goo時代からの読者の皆様へ。心機一転、筆名を「食育さん」に変更しますが、これからもどうぞよろしくお願いします。