食育さんの日記(「タミアのおもしろ日記」より)

GOOブログ「タミアのおもしろ日記」より移行しました

またNHKと農水省が、「ユネスコが和食を健康的だと認めた」という誤解を垂れ流しています。

今放映しているトリセツショーで、農水省職員が登場して、ユネスコが和食を無形文化遺産に登録した理由は健康性だった「と思います」と言いました。「思います」で済ませばいいんですかね。

 このブログで過去になんども指摘していますが、ユネスコに登録された際に健康に良いとは一言も書かれていません。

ユネスコの登録URLをご覧ください。
https://ich.unesco.org/en/RL/washoku-traditional-dietary-cultures-of-the-japanese-notably-for-the-celebration-of-new-year-00869
ユネスコ側の登録文書翻訳をあえてもう一度掲載します。

「和食、日本人の伝統的な食文化、特に新年のお祝い

和食は、食品の生産、加工、準備、消費に関連する一連のスキル、知識、実践、伝統に基づいた社会的実践です。それは、天然資源の持続可能な利用と密接に関係する、自然を尊重するという本質的な精神と結びついています。和食に関連する基本的な知識と社会的および文化的特徴は、通常、新年のお祝いの際に見られます。日本人は新年の神様を迎えるためにさまざまな準備をします。餅つきをしたり、新鮮な食材を使った特別な食事や美しく装飾された料理を用意したりしますが、それぞれに象徴的な意味があります。これらの料理は特別な食器で提供され、家族で、またはコミュニティ全体で共有されます。この習慣は、さまざまな自然食品の摂取を促進します。米、魚、野菜、山菜など地元産の食材を使用。家庭料理の正しい味付けなど、和食に関する基礎的な知識や技術は、共通の食事の時間の中で家庭内で伝承されています。草の根団体、学校教師、料理講師も、公式および非公式の教育や実践を通じて知識やスキルを伝達する役割を果たしています。」
     身体に良いなんてどこにも書いてないでしょう。
(原文はこちら)
「Washoku is a social practice based on a set of skills, knowledge, practice and traditions related to the production, processing, preparation and consumption of food. It is associated with an essential spirit of respect for nature that is closely related to the sustainable use of natural resources. The basic knowledge and the social and cultural characteristics associated with Washoku are typically seen during New Year celebrations. The Japanese make various preparations to welcome the deities of the incoming year, pounding rice cakes and preparing special meals and beautifully decorated dishes using fresh ingredients, each of which has a symbolic meaning. These dishes are served on special tableware and shared by family members or collectively among communities. The practice favours the consumption of various natural, locally sourced ingredients such as rice, fish, vegetables and edible wild plants. The basic knowledge and skills related to Washoku, such as the proper seasoning of home cooking, are passed down in the home at shared mealtimes. Grassroots groups, schoolteachers and cooking instructors also play a role in transmitting the knowledge and skills by means of formal and non-formal education or through practice.」」

身体に良いという文章は、日本政府側が提出したノミネーション文書です。ユネスコはそれについてはイエスともノーとも言っていません。
ユネスコの立場は「日本政府は健康に良いって言っているけど、健康面を確認するのはWHOの業務。うちは文化遺産として保護対象かどうかを判断しているだけ。」です。
文化遺産に登録されたことで「和食が身体に良いと世界が認めた」なんて言っている農水省のあなた、国際機関の仕組みを知らないですね?

国際歌唱コンテストに応募した男性がノミネーション文書に「僕は柔道も書道も師範級です」と書いて、ステージで歌って受賞しても、本当に書道師範級かまではコンテスト委員会がチェックしてないのと同じです。

 

トリセツショーでは、ユネスコ文書の登録証をテレビに映しましたが、下に書いて有る登録内容までは画面に映していませんでした。本当の事を知られると困るんですかね?農水省さん、NHKさん。

農産物輸出が増えた理由、「和食人気」じゃない!意外な理由とは?

先日、25年の農産物輸出金額が発表され、報道各社が「和食」「日本食」人気が原因で輸出金額が増加したと説明していました。とりわけ、お茶と牛肉の伸びが影響したと各社報道していました。特にNHKテレビでは、急須から湯飲みにお茶をつぐシーンを映し出しながら、「お茶」と説明していました。

でも、「和食」も「急須からつぐお茶」も大間違いなんですよ。

まずは誤報の例を紹介します。これは氷山の一角なので、山陽新聞さんはどうか気を悪くしないでください。他にもたくさんのニュースが誤報を流していますから。

和食人気が原因だと説明ある新聞例

和食人気で緑茶や牛肉などが伸びたと説明していますが、誤解です。

実は、外国人にお茶がうけた最大の理由は抹茶ラテや抹茶チョコなど、抹茶とミルクや砂糖やレモン、ストロベリーなどを混ぜた飲料、お菓子が大人気になっているからです。それは私たちが「和食」と呼ぶような物とは全く異なります。実例をXの投稿から引用します。

欧米では抹茶に砂糖やレモンを混ぜて飲み、紅茶と同じ用途です

この写真のように、抹茶イチゴチョコレートや抹茶ラテ、抹茶ケーキなどが空前のブームになっているため、欧米ではチョコやラテやケーキなどの洋菓子に加工して、TOKYOなんて文字をつけたりして売っているのです。また、抹茶粉末を購入した家庭でも、紅茶と同じ感覚で飲んでおり、当然急須なんて使いません。和食のわの字もありません。

牛肉も同様に、和牛はアメリカではステーキや和牛バーガー、オーストラリアではグリル料理、ヨーロッパではフレンチやイタリアン、中東ではケバブ、伝統的シチュー、タジン料理などで食べられています。和食のわの字もありません。

長年疑問に思っているんですが、日本のマスコミは日本産の食品が海外で売れるとたいてい「和食ブームのおかげで」「ユネスコ遺産に和食が登録されたから」って説明するんですよね。そういう誤解は日本から輸出する際に商機を失うので、むしろ止めてほしいと思っています。海外でどう食べられているのかを正確に報道しないなんて、日本のマスコミの予算が減って、海外での取材力が衰えてコタツ記事を書いているのではないかとさえ思えてきます。マスコミの皆さん、どうか正確な記事をお願いします。

 

お正月に火を使ってはいけないの?

あけましておめでとうございます。

昨日はSNS上でマナー講師的人物が、伝統的にお正月には台所で火を使ってはいけない、と投稿して賛否両論を巻き起こしました。

この話題は、かなり誤解を含んでいるなと思います。

昔は台所のかまどに「かまどの神様」というのが居ると信じられていて、地域によって多少違いますが、正月に「かまど」には火を入れませんでした。

 

でも、囲炉裏や火鉢は「かまど」ではないので、正月でも加熱調理が可能でした。冷たいままおもちや雑煮を食べていたという投稿がありましたが、それはウソです。

 

また、お母さんを仕事から解放するためという俗説も明治以降に作られた言い訳でして、本来はそんな心温まる良い話ではありません。単に、かまどの神様を怒らせたくないというだけの理由です。そんなあほらしい理由なので、かまども囲炉裏も火鉢も無くなって、ガスレンジとストーブで調理するようになった昭和40年代以降は、「正月に台所で火を使ってはいけない」という言い伝えもほぼ消えました。なんで知っているかって?私は昭和生まれだし家族親族も多いからですよ。

 

だって考えてみてもくださいよ。ガスレンジと電子レンジとストーブしかない昭和40年代以降に、「お正月には台所で火を使ってはいけません」という妙なしばりを守っていたら、ストーブの上でしかあたたかいお雑煮は作れません。馬鹿馬鹿しい話でしょう。

 

また、例のSNSでは同時に「正月に刃物を使うと良縁が切れる」と書いて居ましたが、これも出典が見つからず怪しい情報です。調べたところ、海外のある日本の民俗学ポッドキャストでそういう話を流していました。しかし肝心の日本の柳田民俗学では一切そういう話は出てきません。あくまでも「切る」という「言葉」が縁起が悪いとされていただけで、実際に包丁を使うことまで禁止はしていません。

 

怪しいSNSで「縁起が悪いからあれもこれもだめ」と言っている人を見かけたら用心してください。宇治拾遺物語 巻5第7話に「仮名暦あつらへたる事」という笑い話があります。ある女性が僧侶に毎日の占いを書いてくださいとたのんだところ、坊さんはだんだん面倒くさくなって「今日はうんこをしてはいけない」と数日連続して書いたので、女性は身をよじって苦しんだと。まあ、例のSNSの投稿者はこのお坊さんみたいな意地悪をして、視聴者の反応を見てゲラゲラわらってるんですよ。みなさんはこんな作られた伝統にはだまされないでくださいね。

「まっすぐなキュウリはどうやってつくる」?を最新情報に基づき更新しました。

gooブログから引っ越しました。人気記事「NHK「食卓の陰の星条旗」を見れば「キッチンカーがパンを広めた」が間違いだと分かる」はここから読めます。

syokuiku3.hatenablog.comgooブログから引っ越してきたので、gooブログ当時に人気だった記事を選んで紹介します。

今回ご紹介するのは、「日本人がパンを食べるようになったのは米国の陰謀でありその手先がキッチンカーであった」という陰謀論の出所についてです。

朝の連続ドラマでも描いていた通り、明治時代からあんぱんを食べていた日本人。

それなのに第二次世界大戦後にパンが広まったという誤解が拡散したのは、NHKが昔放送した番組「食卓の陰の星条旗」が原因ですが、何を隠そうその番組を落ち着いてチェックすると、日本文化を知らない米国人が誤解で作ったフェイク動画をNHKがそのまま垂れ流したトンデモ番組と分かってしまうんです!抱腹絶倒の記事ですのでぜひごらんください。

なぜ天下のNHKがそんな番組を放映したのかは、当時の世相上やむを得ない理由があったことも記事の最後に記しました。NHKさんも免許を総務省に握られているから大変ですよね。

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タミアのおもしろ日記はgooからこちらへ引っ越ししました。今日は新記事。食育ブログのAI汚染。

お久しぶりです。gooブログ時代から気持ちを新たにするため食育さんと名前を変えました。改めてどうぞよろしくです。このブログは食育関係の情報を紹介しています。学校の朝礼でお話をする時、給食の時間に小ネタを説明する時、食いもんで適当なうんちくを言う失礼な人間がいて喧嘩を売りたい時など、いろいろな時に使えるブログです。

会社が忙しくて新記事を書けなくて、すっかりお待たせしました。

久々の記事は、ネットの知識・教養ブログが急速にAIに汚染されている問題です。(このブログも食育の知識・教養ブログなので、お前もかと疑われたら困るんですが、ちゃんと、中の人は食べ物の研究をしている人間なので安心してください。AIに文章を排出させても「中の人は人間です」という文章はAIの機能上で出来ませんので、私のブログは人間が文章を書いているわけです。)

で、世間には食べ物や食育に関わる文章が氾濫しているので、AIにそういうのを書かせてネットにあげる困った輩が増えているようです。見分けるポイントですが、ある意味で常識的な範囲のことを取り上げて、やたら丁寧で中立的な言い方で、にも関わらず化学や生理学などの初歩的な間違いが入っているのは、AIのやらかしがちなことです。

 

例えば、この間片栗粉について検索したら、知識系のブログで「片栗粉は片栗というイモ科の植物の根から作ります」というようなのを見つけてしまいました(このブログを設置した人物と関わりあいたくもないため、少しだけ語順を変えています)。皆さん、聞いてください、「イモ科」というのはありません。片栗(カタクリ)はユリ科の植物です。しかも、片栗粉は江戸時代まではカタクリから作っていましたが江戸末期に採りすぎて激減したので、明治時代以降はジャガイモデンプンで代用しています。

このブログもさっき述べた通り、やたら丁寧で人柄の良さそうな文章でした。しかし植物学の初歩で「イモ科」と言って馬脚を現して、あとはデタラメばかりでした。どんなに丁寧な文章でも、ウソを並べ立てているブログに近寄ってはいけません。

 

同様に、栄養学知識ブログで、「グルタミン酸と、通称味の素と呼ばれるグルタミン酸ナトリウムは違う物質だ」と長々と書いて、最後に「グルタミン酸ナトリウムは体内で分解されて、グルタミン酸とナトリウムに分かれて吸収される」と書いているブログも見かけました。これも、多少人間が手を入れたかもしれませんがほぼAIに書かせたんと思います。だって、本当に栄養学を勉強した人ならそんなネタ自体を扱わないもの。

なぜ扱わないかって?だってね、グルタミン酸ナトリウム」は、料理の中に入って水分に触れた瞬間にグルタミン酸とナトリウムに分かれるから。塩が解離するのは高校化学で習う常識だから、体内でやっと分解されるなんて文章はAIが書いたとしか思えません。

AIブログには気をつけましょー!

gooブログから引っ越しました。人気記事「考察ミスだった「ベルツの人力車実験」」はここから読めます。

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食育などで有名な「ベルツの人力車実験」は、肉を食べたからだとの考察は間違いで、単にカーボローディングの話で解釈できる、という楽しい記事です。

また、ベルツは単に、一時的に力が出るかどうかを調べただけで、その食事が健康に良いかどうかは全く調べていません。

車で通勤してパソコン作業する現代のビジネスマン(軽作業)が、明治時代の人力車夫(重労働)と同じぐらい大量の米を食べたら、炭水化物の摂り過ぎとタンパク質不足で健康を害する恐れがあります。ご注意ください。